産業廃棄物が発生すると、それらの多くは中間処理工場と呼ばれる場所に運ばれます。
中間処理工場では、受け取った産業廃棄物を最終処分しやすいように処理します。
中間処理はおもに下記のような工程があります。
- 産業廃棄物を燃やして燃え殻にすることにより減量化を行う
- 産業廃棄物を砕いて減容化を行う
- 燃え殻などを高温で溶かす
- 汚泥などから水分を取り除く
- 産業廃棄物をリサイクルしやすいように分別する
また、廃酸や廃アルカリなどを中和して、安定した状態になるようにする「安定化」や、ダイオキシン類やPCBなどの有害な廃棄物から有害物質を除去したり、分解することによって人体や環境に影響を与えないように処理する「無害化」などをして、処分をしやすくするという中間処理方法もあります。
もし、中間処理を行わずにそのまま埋め立てされていたら、今ごろは日本中が廃棄物だらけになってしまっているでしょう。
リサイクルできるものを分別し、リサイクルできないものやリサイクルするにはコストがかかりすぎるものは焼却や破砕などの中間処理を行うことで、最終処分場で埋め立てる量を極力抑えることが出来るのです。実際のところ、現在排出されている産業廃棄物は、中間処理することによって約半分の容量にまで減ってきています。産業廃棄物が出てきた状況や産業廃棄物の品目によっては、この中間処理の過程を経ずに直接埋立最終処分されたり、直接リサイクルされるケースもあります。
中間処理工場で、産業廃棄物が実際にどのように処理されていくのか、主な処理工程をご説明していきます。
- 運搬されてきた産業廃棄物は、まず車輌1台ごとに計量所で重量を計ります。
この重量に従って、産業廃棄物処理の料金を割り出すことが可能となります。
- 産業廃棄物を受け取る際に、マニフェストに記載されている品目に該当しているか、
危険物など処理することの出来ない産業廃棄物が入っていないかなどを検査します。
- 大きいもの、重いもの、長いものなどをその場で大まかに分別します。この後に行われる選別作業を行う際に大きな産業廃棄物を除けておくことで選別の効率をよくします。また再度廃棄物の内容の安全確認を行うという意味もあります。
- 粗選別が終わると、人の手による選別が行われます。
産業廃棄物の処理において選別を行うことは、リサイクル率を高め、最終的に埋立される廃棄物を減らす意味で重要です。
この選別の作業については、その行為を処分業である中間処理とするのか、あくまでも廃棄物の性状を変化させない作業であるとして中間処理とは認めないか、許可を出す都道府県または政令市ごとに判断が分かれています。
圧縮についても同様に都道府県または政令市ごとに判断が分かれます。
圧縮とは、主に容量当たりの比重の小さい廃プラスチック類や紙くずなどを、プレス機によって四方から押し固め、1m角程度のベール状にすることです。圧縮を行うことで容積あたりの比重は大きくなり、運搬効率が上がります。車輌やコンテナなどへの積み込み作業も行いやすくなります。この圧縮の作業も中間処理である処分業許可として認める行政と認めない行政が存在しています。
処分業と認められているかいないかによっても、法令で定められている契約を締結する対象や記載事項、
マニフェストの記載についても変わってしまうため、注意が必要です。
別の地域で選別や圧縮の処理によって処分業の許可が与えられていたとしても、
施設を設置している行政から処分業の許可が認められていなければ、処分業とは言えません。
弊社は埼玉県入間市に中間処理施設を保有しており、ベテランの作業員と若い作業員が一体となり日々作業を行なっております。お客様によっては「今からすぐに持ちこみたい」「深夜に持ちこみたい」「早朝に持ちこみたい」と様々です。
お客様の要望にお応えするためには、とにかくパワーが必要と考えておりますので、若い作業員が中心となり、状況に応じて臨機応変な対応をさせていただいています。搬入されるお客様から「いつも無理なお願いを聞いてくれてありがとう」「元気よく挨拶してくれるから、こっちも元気になるよ」とお言葉をいただけているのが、私たちのパワーの源となっています。
参考文献:(株)ジェネス/著「産業廃棄物処理がわかる本」
日本実業出版社2006年