前回に引き続き「ウッドショック」の話題です。
日本産でまかなえないの?
「輸入木材に頼れないなら国産の木材を使用すればいいのでは?」と思われる方も多いでしょう。
実は、日本国内の山林は国土の約67%を占めており、天然林と人工林だけで約76億立方メートルもの木材資源があります。しかしその反面、日本の木材自給率は37.8%と決して高い数値ではありません。
木材資源がありながら輸入に頼らざるをえない理由には、深刻な労働力不足が挙げられます。林業従事者は年々減り続け、2015年は約45000人。山村での過疎化や高齢化が進み、林業に携わる人材が不足し始めたことで、木材自給率の低下につながっているとも言えます。しかし、育成時間などを踏まえると、急激な人材の確保は難しいというのが現状です。
また、材料としての木材を市場に出すまでには一定の時間がかかるため、簡単に供給量を増やすことが難しいのです。切り出した木材は乾燥させなければ使用することができず、その作業には膨大な手間と時間が掛ります。
建設廃棄物にも変化が?
ウッドショックの影響により、排出される廃棄物にも影響が出ていると思われます。
廃棄物の中には「建設廃棄物」という、一般廃棄物と産業廃棄物の両方を含む概念があります。これは、建設副産物のうち、廃棄物処理法第2条1項に規定する廃棄物に該当するものを指します。
「建設副産物」とは、建設工事に伴い副次的に得られたすべての物品であり、その種類としては、「工事現場外に搬出される建設発生土」、「コンクリート塊」、「アスファルト・コンクリート塊」、「建設発生木材」、「建設汚泥」、「紙くず」、「金属くず」、「ガラスくず・コンクリートくず(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものを除く。)及び陶器くず」又はこれらのものが混合した「建設混合廃棄物」などがあります。
ウッドショックにより、木材を大量に使用する住宅の新規建築や大規模なリフォーム・リノベーションの数が減少し、それに伴い「建設発生木材」の減少も予想されます。また、全国で増える空き家などを解体する際に出る古材・資材の再利用を進め、サイズをそろえた角材に加工して活用・販売の動きを見せる企業も出ています。今後もこうした動きが増えていくと、さらに木材の廃棄量は減っていくのではないでしょうか。
ウッドショックによる木材の高騰、材料高騰で建築にかけられる予算は非常にタイトになっていると思われます。建築現場での廃材・残材の回収について、断熱材とクロスなどの廃棄物は分別する事でコストを抑える事が可能です。また、廃棄物の量の削減や分別の徹底、適切な処理により、建設予算を抑えられることも期待できます。
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参考サイト:東京都環境局
参考サイト:林野庁