2020年夏に開催が予定されていた東京オリンピックは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、2021年へ延期とされ、開催まで3週間後となりました。
感染対策など様々な課題を抱えるオリンピックですが、開催終了後に建造物や跡地をどうするかも課題の1つとして上がっています。五輪における自然破壊はたびたび問題となっており、1992年、オリンピックにおいて地球を保護することが公約とされ、本格的な取り組みが始まりました。1994年には、「オリンピック憲章」に「環境」についての項目が加えられるなど、オリンピックにおいて「環境」は重要なテーマであり続けています。
五輪終了後、スタジアムや選手村は、オリンピックの「遺産」として継承されているところもあれば、「廃墟」として朽ち果ててしまっているところもあります。今回は、東京オリンピック開催後の、建造物や跡地の再利用について見ていきます。
過去に開催された五輪跡地は?
過去に日本で開催されたオリンピックの選手村跡地は今も活用されています。過去日本で開かれたのは「1964年東京オリンピック」「1972年札幌冬季オリンピック」「1998年長野冬季オリンピック」の3大会です。
1964年の東京オリンピック開催後の選手村は、研修施設として再活用されています。
昭和55年に文部省が所轄の国立オリンピック記念青少年総合センターとして活用されることになり、現在も活用されています。施設にはスポーツ棟や食堂などもあり、今なお宿泊や企業研修に使われているようです。
1972年の札幌冬季オリンピック終了後の選手村は、団地として活用されています。オリンピック終了後、UR都市機構(独立行政法人都市再生機構)が五輪団地として再利用をしています。
1998年の長野冬季オリンピック開催後の選手村は、市営の集合住宅「今井ニュータウン」として活用されています。
日本ではオリンピック後の施設が現在まで再活用され続けられていますが、その一方で海外では廃墟となっている施設も多く存在します。大会終了後、建てられた場所や管理の都合上使われず、ゴミ問題が課題になっている場所もあるようです。
次回に続きます。