梅雨の時期に大活躍するのが「傘」。
扇風機付きやしまう際に手が濡れないなど機能性が高いものや、ブランドや水族館などとコラボしたデザイン性のあるものなど、様々な傘が登場しています。
憂鬱な気分となりがちな梅雨の時期の外出に、前向きな気持ちにさせてくれる手段の一つともなっています。
しかし、この「傘」が日本で大きなごみ問題になっているのです。
日本で消費される傘の本数とごみ問題
日本での傘の消費量は年間で1億2000万本〜1億3000万本とされています。(日本洋傘振興協議会)そのうち8,000万本がビニール傘、その消費量は世界一とも言われています。
傘立てにずっと放置されているものや、路上に打ち捨てられているものなど、日常的に目にすることはなくとも、見た経験があるという方は多いのではないでしょうか?
日本人は傘を一人当たり平均3.3本も持っているという調査結果もあり、これは世界の中でもトップの数です(ウェザーニュース)。
少なくとも1本は家にあることが多いにも関わらず、どこでも安く手に入るビニール傘をその場しのぎで購入するケースが多発しているのです。
そうしてビニール傘を持て余している状況になると、まとめて断捨離となることも少なくありません。
また、電車や出先などで置き忘れてしまったとしても、「まあいいか」とそのまま放置されます。
安価なものであれば無くしたとしても、壊れてしまったとしても、探しに行く労力や修理する手間をかける必要がないという考えになりがちです。
傘がごみとなってしまう原因の一つが忘れ物
実際、東京都における警察に届く忘れ物の傘は、年間約30万本以上にも登ります(警視庁:遺失物取扱状況(令和6年中))。
近年は新型コロナ感染対策の外出自粛による影響か例年より少ない数ではありました。
しかしその一方で、持ち主の元に返還される傘はごくわずかで、毎年およそ1%前後となっております。
警察署長と特例施設占有者は、傘等の安価な物や保管に不相当な費用を要するものについては、2週間以内に落とし主が見つからない場合、売却等の処分ができることになっており、中には廃棄処分となるものもあります。
ビニール傘はリサイクルに不向きなためごみ扱いに
使い捨て製品のように扱われているビニール傘は、環境に与える影響が非常に大きいということはあまり知られていません。
ビニール傘は強力な接着剤が使われているため分解に手間がかかります。
加えて、ポリエチレンやポリ塩化ビニルなど材質も多種多様で、一目で材質を見分けられないためリサイクルが極めて困難なため、捨てられた傘の多くが埋め立て処理となっているようです。
傘のごみを減らす・なくす取り組み
毎年大量に消費されている「傘」、その廃棄量を減らす、またはなくすにはどのような行動をすればいいのでしょうか?
①シェアリングサービスを利用する
「アイカサ」という、日本初の本格的な傘のシェアリングサービスが2018年からスタートしています。
これは専用のアプリを通じて、指定の場所に設置してある傘を24時間70円から、月額280円で使い放題レンタルできるサービスです。
都市部を中心にエリアを拡大して全国の駅やコンビニ店など約850カ所に傘のスポットを設置し、現在ではアプリの会員は13万人を超えたそうです。
②大切にしたい傘を1つ購入する
デザイン面や機能面など自分が「いい!」と思った良質な傘ならば、大切に扱いますし、無くしたときもすぐ気がつきます。
③壊れたら修理する
購入した店舗や大手の百貨店では、傘の修理をしてくれることもあります。
また、全国チェーンの修理店もありますので、修理して使い続けましょう。
④不要な傘を寄付する・フリマに出す
使わずに持て余している傘は、寄付したりフリマアプリに出品してリユースしてもらいましょう。
寄付先は、地域で行なっている傘の貸し出しサービスや途上国への物資支援、傘を使ったワークショップ活動などがあります。
傘の正しい捨て方
長く大切にしていても、いつか手放さなければならない日もきます。
前回でも触れたように、傘はさまざまな素材を用いて作られているため、分別や捨て方がわかりにくいもの。
さらに、地域によっても捨て方が異なります。
判断に迷った時は、自治体のホームページや電話で確認しましょう。
①「不燃ごみ」「燃えないごみ」として捨てる
多くの自治体が分解せずそのままの状態で「燃えないごみ」または「陶器・ガラス・金属ごみ」として回収しているようです。
②「粗大ごみ」として捨てる
30㎝以上の大きな傘は粗大ごみに該当する場合があります。
捨てる本数によっても粗大ごみとして回収する地域もあります。
また、分解できない・傘布が外せない・骨組みが金属以外の大判の傘なども粗大ごみになるケースも。
③分解して捨てる
地域によっては傘を素材ごとに分別して捨てなければいけません。
分解すると、金属、布(ビニール)、プラスチックのパーツに分別できます。
それらの素材ごとに、自治体のルールにしたがって捨てます。
環境に優しい傘だけでなくビニール傘も“ごみ”にしない活動
環境に優しい傘が登場したり、ごみとされてきた傘を有効活用する取り組みがなされています。
張替え生地が用意されており、生地が破れても廃棄せずに、自分で修理して使い続けることができる傘が発売されています。
また、パーツの分解をして全ての素材がリサイクル可能という特徴もあるそう。
そのほかに、廃棄されたビニール傘を、素材の良さを生かして独自の加工を施したアップサイクル製品もあります。
ビニール傘が大量に消費されていることを大きな課題とし、独自に対策や活動を行うショップや団体が各地で見られています。
また、不要な傘の布部分を使用し、超軽量エコバッグにリメイクする方法が動画や個人サイトで紹介されています。
レジ袋の有料化によりエコバックの需要が高まったことやコロナ禍でお家時間が増えたことなども相まって、挑戦する人が出てきているようです。
団体だけではなく、個人でも傘のリサイクルやリユースなどに興味を持ち、活動に移すことで、傘のごみの削減につながっていきます。
現在は「大量生産・大量消費・大量廃棄」の社会経済システムにありますが、これは環境に大きな負荷をかけています。
「SDGs」で掲げられている、廃棄物の減量や資源の再利用は全員が意識して実施していく必要があります。
そして、これは「傘」「ビニール傘」についても言えることです。
今からの季節、使用する機会が増えるものだからこそ、環境のことも意識しながら購入・使用・処分するようにしましょう。
ごみの処分など廃棄物関連にお困りの方、疑問がある方など、遠藤商会までお問い合わせください!




